経絡の存在証明


 1)三焦経による経絡の証明


(1)実験
(A)左三焦経の各経穴と右手掌にEEG用皿電極をおき(図1),右手首に不関電極をおいて,初めに第4指尖端の左三焦経井穴に20Vの矩形波刺戟を与えると痛覚があり,数ミリセカンドの後、各測定点でGSR反応がでる.これは交感神経興奮に基づく全身的反応である(グラフ1).
(B)次に刺戟電圧を下げ,痛覚及び刺戟を感じない程度に通電したところ,三焦経の背部兪穴と前部募穴にのみ,刺戟後2〜3秒してGSR様の反応が現われ,更に30秒余りして同じ反応が出ている(グラフ2).刺戟点を背部兪穴にすると,他の点では反応なく,第4指尖端の三焦経井穴のみで反応がでた(グラフ3).
(2)考察
 実験(A)の結果は,刺戟による交感神経興奮に基づく同時的全身的神経性反応を示す.
 ところが(B)の結果は,局所的反応であり,交感神経性反応である全身的なものと思われない.更に重要な点は,刺戟―反応である.
 井穴を刺戟すると,背部兪穴,前部募穴にのみ反応が出,背部兪穴刺戟では指端の井穴にのみ反応がでたが,これらの刺戟―反応点間には,現在の神経生理学によれば,直接的連絡はない.
 脊髄神経デルマトーム(図2),交感神経デルマトーム(図3)から,神経系とは違う刺戟―反応系があることが推測される,これはI章で述べた体液性皮膚電気現象と相関連するものと思われる。その故は,両者共に皮膚の分極抵抗と関係しているからである(V章以下を参照されたい).
グラフ 1 経絡テスト-2 三焦経井穴強刺戟
グラフ 2 経絡テスト-2 三焦経井穴適当刺戟
グラフ 3 経絡テスト-3 三焦経兪穴刺戟

グラフ 3 経絡テスト-3 三焦経兪穴刺戟